stomach disease お腹の病気

高度の食道炎に悩んでいた患者さん

43歳の男性

高度の食道炎に悩んでいた患者さん

数ヶ月前から胸焼け・食物のつかえ感・胸部痛などがあり、他院にて内服治療をうけても改善しないため来院されました。

内視鏡を施行したところ、高度の逆流性食道炎がみられ、一部は潰瘍が形成され、もろくなった粘膜からはわずかながら出血もみられました。

治療は、制酸剤や消化管運動改善薬を用いましたが、これだけ高度の炎症の場合は生活態度の改善も必要になります。
患者さんと十分に話し合い必要性を理解していただき、睡眠時の体勢・禁酒・禁煙・食生活の指導をおこない食道炎の改善がみられました。

胸やけと胃食道逆流症については よくある質問 をご覧下さい。

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数か月前よりつかえ感があった食道ガンの患者さん

65歳女性

数か月前よりつかえ感があった食道ガンの患者さん

数か月前よりつかえ感を自覚していましたが放置されていました。ある日、飲み込んだものが全く通過せず嘔吐してしまい来院されました。

内視鏡を施行したところ、進行性の食道ガンがみられ、食道は一部狭窄がみられました。

持続する症状を感じた場合は、医療機関を受診し、念のため検査を受けることをお勧めします。

食道ガンについては よくある質問 をご覧下さい。

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大腸ポリープの内視鏡的切除術

64歳の男性

大腸ポリープの内視鏡的切除術 大腸ポリープの内視鏡的切除術

便潜血検査で異常を指摘され、今回、精密検査を希望され来院されました。
大腸内視鏡で数個のポリープを認めました。写真は、最も大きなポリープで、組織検査ではポリープの一部にガン化が見られましたが、内視鏡処置で完全に切除できました。
大腸ガンは、9割がポリープより発生すると言われ、ポリープの段階で治療することはガンの発生を未然に防ぐためには重要です。
検査にてポリープを認めた場合は、その場で切除術を行うことが可能ですが、下記の内容を十分に御理解下さい。
1回に切除できる病変の数には限りがあり、追加治療が必要となる場合があります。
ポリープの大きさや形態によっては入院のうえでの切除が必要となることがあります。
この際には、適切な医療機関にご紹介いたします。

内視鏡治療の模様を写真付で解説しております。詳しくは 内視鏡治療の実際 をご覧下さい。

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進行胃ガンの患者さん

63歳の女性

進行胃ガンの患者さん

数ヶ月ほど前より胃もたれ感・胃部重圧感が出現。その後、症状が増強してきたため来院されました。

内視鏡を施行したところ、胃体部に”進行胃ガン”である不整な潰瘍性病変を認めました。
この患者さんの場合は、病巣は手術切除をおこない、幸い他臓器への転移もありませんでした。

現在、内視鏡に熟達した医師であれば数mm~1cm程度のガン病巣でも発見可能です。
早期発見のためには専門医での定期的な検査をおすすめします。

胃ガンについては よくある質問 をご覧下さい。

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胃潰瘍の再発に悩まされていた患者さん

68歳の女性

胃潰瘍の再発に悩まされていた患者さん

以前より胃潰瘍の再発を繰り返しており、今回も胃痛・背部通・食欲不振が出現し来院されました。

内視鏡を施行したところ写真のような出血を伴った潰瘍がみられました。
潰瘍は、活動期(A)・治癒期(H)・瘢痕期(S)に分類されます。
この患者さんの場合は、潰瘍底に露出血管がみられ、出血もみられたため、もっとも活動性の高いA1stageの潰瘍と診断しました。
入院のうえプロトンポンプインヒビターという内服薬などを用いて治療を行いました。
この患者さんの場合は、ピロリ菌が陽性であったため除菌療法を施行しました。

潰瘍とピロリ菌については よくある質問 をご覧下さい。

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下血にて来院された大腸ガンの患者さん

43歳の女性

下血にて来院された大腸ガンの患者さん

3ヶ月前より便通が不規則となっており、少量ながら下血もみられていました。
たまたま、父親が大腸ガンと診断され、この機会に検査を受けようと来院されました。

大腸内視鏡を施行したところ、数個のポリープと、さらにはS状結腸に写真のような腫瘍を認めました。
ポリープは内視鏡的に切除し、腫瘍については適切な病院に紹介のうえ外科切除をおこないました。
便通の異常がある場合は、大腸カメラを受けることをおすすめします。

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急な胃痛・嘔吐で発症した急性胃粘膜障害の患者さん

43歳の男性

急な胃痛・嘔吐で発症した急性胃粘膜障害の患者さん

会社で上司と口論となり、飲酒したところ、高度の胃痛・嘔気が出現。水分摂取も困難となり来院されました。

内視鏡を施行したところ、胃体部~前庭部、さらには十二指腸までに急性潰瘍の所見を認めました。
急性胃粘膜障害は、消化管出血の原因にもなり、時に吐血や下血もみられます。

日々受けるストレスに対し、飲酒などでストレスを解消しようとする人が多いですが、これらの過剰摂取は胃酸分泌を亢進し、胃病変を悪化させる原因となります。
内視鏡の写真でみられる黒色に変化した部分はすべて急性潰瘍です。
強い胃痛のある場合は、内視鏡を受けることをおすすめします。

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寄生虫(アニサキス)が原因で起こった胃痛の患者さん

48歳の男性

寄生虫(アニサキス)が原因で起こった胃痛の患者さん

前日の晩に寿司を食べ、深夜より強烈な胃痛が出現し来院しました。

内視鏡を行ったところ、胃粘膜にアニサキスが陥入しており、周囲の粘膜は発赤・腫大していました。
内視鏡にてアニサキスの虫体を摘出した後は、速やかに胃痛の軽減がえられました。
アニサキスの成虫はクジラなどに寄生する寄生虫です。
幼虫はオキアミを経てサバ、アジ、イワシ、イカなど様々な魚に寄生して感染幼虫になります。
日本人は魚を生で食べるので、感染率が高くなっています。
人の体内に入った幼虫は成虫にならずに、胃や腸で好酸球性肉芽腫(こうさんきゅうせいにくげしゅ)という病変をおこします。
予防は火を通して魚を食べることです。
また、マイナス20度以下で24時間以上冷凍すればアニサキスの幼虫は死滅するので、冷凍保存されたものを食べると安全です。

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腹痛・下痢で来院されたクローン病の患者さん

29歳男性

腹痛・下痢で来院されたクローン病の患者さん 腹痛・下痢で来院されたクローン病の患者さん

22歳の時に、腸閉塞の既往あり。その際は原因不明といわれたようです。
1ヶ月前より、腹痛及び下痢が持続したため来院されました。
大腸カメラを施行したところ、回盲部から下行結腸まで、びらん及び潰瘍が散見されました。
S状結腸には縦走潰瘍(写真1)や敷石状変化(写真2)もみられました。
内視鏡所見よりクローン病と診断し、大学病院に紹介受診となりました。
クローン病は炎症性腸疾患と言われる病気の一つですが、原因ついては、いまだ判明していません。
通常は、下痢・下血・腹痛で発症しますが、本患者さんの場合は、下血はみられませんでしたが、内視鏡的に典型的なクローン病と判断されました。
22歳の時の腸閉塞もクローン病に伴う合併症と考えられました。
持続する腹痛や下痢があった場合は、必要に応じて検査を受けることをお勧めします。

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胃検診で発見された早期胃ガンと胃腺腫

68歳の男性

胃検診で発見された早期胃ガンと胃腺腫

特に、自覚症状はありませんでしたが、しばらく胃の検査を受けていないため、検診目的で来院されました。
胃カメラを施行したところ、写真のような、わずかに盛り上がった腫瘍と、それに接するようにほぼ平坦な腫瘍を認めました。
組織検査では、いずれも「腺腫」でしたが、盛り上がった腫瘍は「早期ガン」の可能性が考えられたため、大学病院に紹介のうえ内視鏡的切除をおこないました。
切除した腫瘍を、詳細に調べたところ「盛り上がった腫瘍」には「ガン細胞」が認められました。
必要に応じて、最新の医療を提供する大学病院などで最適な治療を受けられるようにご紹介いたします。

内視鏡治療の模様を写真付で解説しております。詳しくは 内視鏡治療の実際 をご覧下さい。

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表層拡大型胃ガンの患者さん

43歳の女性

表層拡大型胃ガンの患者さん 表層拡大型胃ガンの患者さん

1年前の検診のバリウム検査では異常を指摘されませんでした。
1か月ほど前より胃部不快感を自覚され来院されました。

胃内視鏡を施行したところ、胃角部の不整な粘膜と広範囲の浅い陥凹を認め、生検にて胃ガンと確定診断しました。
この患者さんの場合は、病巣は手術切除をおこない、幸い他臓器への転移もありませんでした。
胃カメラと比較すると、バリウム検査の精度はかなり落ちます。
可能であれば検診も胃カメラを受けることをおすすめします。

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下血にて来院された潰瘍性大腸炎の患者さん

48歳男性

下血にて来院された潰瘍性大腸炎の患者さん 下血にて来院された潰瘍性大腸炎の患者さん

数年前より下痢をしやすく、4-5か月前より便に粘液が付着するようになり、1か月前より血液が付着するようになったため来院されました。

大腸内視鏡を施行したところ、粘膜の血管透見像は消失し、細顆粒状を呈し、さらに、易出血性で多発性の潰瘍が認められました。

潰瘍性大腸炎の治療には、薬物療法、食事療法、手術がありますが、基本的には薬物療法が行われます。薬物療法は5-ASA製剤を基本として、重症度や病変の範囲などに応じて、副腎皮質ステロイドや免疫抑制剤を組み合わせます。多くの患者さんは、これらの治療で症状が消失しますが、薬物療法が効かず重い合併症が生じた場合は手術が選択されることもあります。
通常、緩解導入後は、再燃を予防するために5-ASA製剤による緩解維持療法が行われます。
なお、治療に使われるお薬には、飲み薬もあれば、坐薬や注腸剤などの局所製剤もあります。どのお薬を使用するかで、お薬が届く範囲が違いますので、重症度や病変範囲に合わせてお薬を組み合わせるコンビネーション療法も行われます。

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当クリニックではじめて食道静脈瘤を指摘された肝硬変の患者さん

66歳の男性

当クリニックではじめて食道静脈瘤を指摘された肝硬変の患者さん

数年前より他院で「アルコール性肝硬変」と診断され加療を受けていた患者さん。
本年、当クリニックでの精査を希望され来院されました。
通院していた病院では特に食道・胃の検査を薦められたことはなかったとのことですが、胃内視鏡を施行したところ、食道には非常に拡張した食道静脈瘤がみられ、破裂の危険を予知するred color signもみられました。
肝硬変のような慢性的な肝疾患が存在すると、食道や胃に静脈瘤が出現することは広く知られています。
増悪した場合は静脈瘤破裂により大量に出血し命にかかわることもあります。
この患者さんの場合は、さらに「アルコール性」とされていましたが、酒量も多くなかったため、精査したところ、「原発性胆汁性肝硬変」であることも判明しました。

肝硬変、食道胃静脈瘤については よくある質問 をご覧下さい。

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B型肝炎に合併した肝細胞ガンの患者さん

48歳の男性

B型肝炎に合併した肝細胞ガンの患者さん

数年前より、B型肝炎に対して核酸アナログ製剤による治療を行い肝機能は正常化していたとのことでしたが、自己判断で約2年前に中止。
その後、特に検査も受けず放置されていました。
今回、自覚症状は特にありませんでしたが、久しぶりに検査を受けるために当院に来院されました。
採血とともに施行した超音波検査にて肝臓に腫瘤を認めたため、腹部CTを行ったところ数cm大の肝細胞ガンが認められました。
この患者さんの場合は、肝予備能が保たれており、脈管への浸潤もなかったことより、幸い外科切除が可能でした。
B型肝炎・C型肝炎などは、状態に応じた治療と定期的な検査が必要です。

ウイルス性肝炎については、肝臓病について ご覧ください。